卸売・小売業・食品 付加価値型 No.23

付加価値アップとコスト見直しで売上41%増へ

M社(農産加工品販売)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・その他・為替・円安・人件費・労務費

交渉手法

付加価値型

活用ツール・支援機関

益子焼容器・6段階価格展開・原料内製化

定量的な成果

売上+41%/客単価+37%/人件費50%削減

6段階価格地域資源付加価値

出典より

経済産業省 中小企業庁「業種別 価格交渉・価格転嫁 成功事例集」 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 原料費・包材価格の高騰、円安や人手不足が追い打ちをかける中、「道の駅」という地域の顔を営む上で品質を維持しながら事業継続を図る必要があった。

取組概要

  • 「付加価値向上による価格正当性の確保」と「コスト構造の抜本的見直し」を同時に実行。
  • 益子焼のミニ釜容器を使用した特別感ある高価格帯商品を開発。
  • 主力商品を6段階の価格別に展開し顧客が選びやすい価格幅を創出。
  • 特に2022年発売の「とろたま大釜ぷりん」(1,250円)は通常の5倍の大きさのプリンが釜めし容器に詰まった圧倒的インパクト。
  • 自社農園での玉ねぎ栽培で主要原料の生産を内製化し原料費を抑制。

成果概要

  • 売上高は2019年度比で41%増、客単価も37%上昇。
  • 就労支援施設での一次加工外注により障がい者の活躍の場を創出するという社会貢献と作業人件費50%削減を同時に実現。

副次効果

社会貢献・地域共生

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

道の駅や直売所など地域産品を扱うビジネスで、複合的なコスト上昇の中で品質を守りながら価格改定する方法を探している方に、読んでほしい事例です。

この事例のポイントは、価格帯を6段階に分けた商品戦略です。益子焼のミニ釜容器という地域資源を活用した高価格帯商品を開発することで、既存の低価格商品群を守りながら客単価を引き上げた。価格の「天井」を上げることで全体の価格水準が自然に引き上げられています。

売上+41%・客単価+37%・人件費50%削減という成果は、付加価値向上とコスト構造の見直しを同時に実行した結果です。就労支援施設での一次加工外注が、コスト削減と社会貢献を両立させている。価格転嫁の取り組みが地域共生の仕組みとして機能した例として、他業種でも参考になります。

地域資源の活用は、代替不可能性を生みます。益子焼という地域ブランドが商品に乗ることで、価格競争から距離を置けた。「どこでも買える商品」をいかに「ここでしか買えない体験」に変えるかが、付加価値型価格転嫁の本質です。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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