卸売・小売業・資材 データ提示型 事業転換型 No.26
独創的交渉と事業転換で、利益率と組織力を強化
非公開(建材販売等)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・エネルギー・光熱費・人件費・労務費・為替・円安
交渉手法
データ提示型・事業転換型
活用ツール・支援機関
独創的スタンス・商社→施工店転換
協調型交渉事業転換構造的アプローチ
当時の課題
- 原材料費・エネルギー価格・人件費の高騰、為替変動でコスト上昇圧力が強まった。
- 仕入先・一般顧客との間で価格交渉や値上げの必要に迫られていた。
取組概要
- 引き合い段階での取引条件確認を徹底し原価計算と自社製品の単価計算を実施して客観的根拠を整備。
- 仕入先(発注元企業)に対し「施主・エンドユーザーにとっては私もあなたも原価側」というスタンスを明確にした独創的なアプローチを採用。
- 同時に商社から施工店への転換を図り事業領域を拡大することで付加価値を向上。
成果概要
- 価格転嫁を実現でき利益率が改善された。
- 従業員の賃上げを実施でき、人材確保と組織力強化につながっている。
副次効果
賃上げ・人材確保・組織力強化
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
建材・資材卸売業で複合的なコスト上昇に加え、事業の構造的な問題も抱え、価格転嫁と事業転換を同時に検討している方に、読んでほしい事例です。
この事例の特徴は、仕入先・発注元・エンドユーザーという三者の関係を整理した上で交渉戦略を設計したことです。施主・エンドユーザーへの説明を発注元企業とともに行うという協調型交渉が、価格転嫁のチェーンを動かしました。誰かが我慢するのではなく、全員が納得する構造を作ることが目標でした。
賃上げと人材確保という成果は、価格転嫁が内向きにも効果を持つことを示しています。価格を上げることで利益が生まれ、その利益が従業員への還元につながる。外向きの交渉と内向きの経営改善が連動しています。
事業転換を同時に進めた点も重要です。コスト上昇に直面した局面を、事業モデル自体を見直す契機として活用した。価格転嫁への取り組みが、経営の抜本的な見直しを促す引き金になることがあります。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →