卸売・小売業・資材 データ提示型 付加価値型 No.28

高機能化提案と代替案で、双方にメリットのある価格転嫁

非公開(包装資材販売)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・エネルギー・光熱費・人件費・労務費

交渉手法

データ提示型・付加価値型

活用ツール・支援機関

代替案提案・パートナーシップ構築宣言確認

パートナーシップ宣言代替案丁寧な対話

出典より

経済産業省 中小企業庁「業種別 価格交渉・価格転嫁 成功事例集」 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 原材料費・エネルギー価格・人件費の高騰が複合的に発生。
  • 相次ぐ原材料の値上げと社員の給料アップと新たな投資が必要という深刻な課題。

取組概要

  • 引き合い段階での取引条件確認を徹底し、原材料費や労務費のデータ収集、原価計算、自社製品の単価計算を実施。
  • 書面での交渉申し入れを行い業界の価格改定情報を収集して説明資料を作成。
  • 価格転嫁成功の鍵は取引先担当者との丁寧なコミュニケーション。
  • さらに見積書の新規作成や代替案・新商品の提案資料を作成し、製品・サービスの高機能化と新商品開発にも取り組んだ。
  • 「パートナーシップ構築宣言」への取引先参加の有無を確認する周到な準備も。

成果概要

  • 価格転嫁に成功したことで利益率が改善され一部製品において増益を達成。
  • 原材料の変更によるコスト低減という具体的な代替案の提示により双方にメリットのある解決策を提示できたことが成功要因。

副次効果

双方メリット・増益達成

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

資材・部材卸売業で複合的なコスト上昇に対応しながら、取引先との関係も守りたい方に、読んでほしい事例です。

この事例の特徴は、価格改定の交渉と同時に「原材料の代替案」を提示したことです。価格が上がるという一方的な情報だけでなく、コストを下げる選択肢も一緒に持っていくことで、取引先にとっての選択肢が広がりました。値上げを「押しつけ」ではなく「一緒に解決策を探す協議」として設定した発想です。

パートナーシップ構築宣言を活用したことで、交渉が個社対個社ではなく業界標準への対応という文脈になりました。公的な枠組みを活用することで、価格改定の正当性を外部権威で補強できます。

増益達成という成果の背景には、価格転嫁だけでなく供給側との交渉も並行させたことがあります。売上側の価格を上げながら、仕入側のコストも下げる交渉を同時に進めることで、利益改善効果が重なりました。価格転嫁は一方向ではなく、双方向の交渉として設計することが効果を最大化します。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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