製造業・一般機械 制度活用型 No.58

パートナーシップ構築宣言を活用した価格交渉環境の整備

非公開(一般機械製造)

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・人件費・労務費

交渉手法

制度活用型

活用ツール・支援機関

パートナーシップ構築宣言・県支援ツール

パートナーシップ宣言制度活用心理的障壁

出典より

広島県 パートナーシップ構築宣言推進事例 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 長年の下請構造の中で価格交渉を言い出しにくい商慣習が定着。
  • コスト上昇分を吸収し続けることで収益性が悪化。

取組概要

  • 広島県が推進するパートナーシップ構築宣言の枠組みを活用。
  • 発注元企業がパートナーシップ構築宣言に参加しているかを確認した上で、宣言の趣旨に基づく価格交渉を申し入れ。
  • 県が整備した価格交渉支援ツールも併用し、客観的なデータに基づく交渉資料を準備した。

成果概要

  • パートナーシップ構築宣言が5万社を突破し、価格交渉が行いやすい環境が醸成されつつある。
  • 宣言企業は補助金審査での加点もあり、取引適正化のインセンティブが機能。

副次効果

取引環境改善

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

製造業(一般機械)で、長年の下請構造の中で価格交渉を言い出しにくい慣習に悩んでいる経営者に、読んでほしい事例です。パートナーシップ構築宣言という制度的な枠組みを活用することで、個社の一方的な要求ではなく「宣言の趣旨に基づく正当な申し入れ」として価格交渉を位置付けました。

この事例の重要な示唆は、「価格交渉を言い出す理由を制度が提供してくれる」という発想の転換です。長年の下請関係では、「値上げを言い出すと取引を失うかもしれない」という心理的障壁があります。しかしパートナーシップ構築宣言に参加している発注元に対しては、「宣言の趣旨として適切な価格での取引が求められている」という外部の根拠で交渉を始められます。交渉の「出発点」を変えることで、心理的コストが大幅に下がります。

発注元がパートナーシップ構築宣言に参加しているかどうかを事前に確認してから交渉を申し入れた、という準備の姿勢も学ぶべき点です。宣言参加企業は補助金審査での加点もあるため、「宣言に反する行動」は発注元側にとってもコストになります。この非対称性を踏まえた交渉設計が、実際の交渉での優位性を生みます。

パートナーシップ構築宣言が5万社を突破した現在、自社の取引先がこの枠組みに参加しているかどうかを確認することは、価格交渉を始める最初のステップとして有効です。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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