製造業・FA装置等 制度活用型 データ提示型 No.62
見積書の有効期限を1ヶ月に設定し、売上・利益が上昇
非公開(FA装置等製造業)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費
交渉手法
制度活用型・データ提示型
活用ツール・支援機関
長野県価格転嫁サポートセミナー
定量的な成果
売上・利益上昇
見積有効期限/リスク転嫁/仕組み化
当時の課題
- 見積書の有効期限が長く、原材料価格変動のリスクを自社で負担していた。
取組概要
- 見積書の有効期限を1ヶ月に短縮し、原材料価格の変動リスクを適切に反映。
- 期限切れ後は再見積もりで最新のコストを反映。
成果概要
- 見積有効期限の短縮により売上・利益ともに上昇。
副次効果
原材料変動リスクの適正転嫁
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
FA装置・産業機器製造業で、原材料価格の変動リスクを長期間にわたって自社で抱えてきた経営者に、読んでほしい事例です。見積書の有効期限を1ヶ月に短縮するという「仕組みの変更」だけで、売上・利益が向上した事例です。
この事例が示す本質は、「価格転嫁の交渉を毎回行う」のではなく、「価格変動リスクを自動的に転嫁できる仕組みを作る」という発想の転換です。有効期限を1ヶ月にすることで、期限切れ後の再見積もりが「ルール」になります。個別の交渉ではなく、プロセスとして組み込むことで、取引先との摩擦が最小化されます。
見積書の有効期限は、多くの中小企業が深く考えずに設定している項目です。しかし原材料価格が変動する業種では、長い有効期限は「価格リスクの無償提供」を意味します。3ヶ月・6ヶ月の有効期限を設定しているなら、その期間中の原材料価格上昇は全て自社負担になります。これは意図せず行っている「値引き」です。
「仕組みを変える」ことの利点は、一度設定すれば継続的に機能することです。毎回の交渉で精神的・時間的コストを払うことなく、市場の変動を適切に価格に反映できます。価格転嫁を「交渉イベント」ではなく「ビジネスプロセス」として設計することが、持続的な適正価格維持の鍵です。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →