製造業・印刷 データ提示型 関係構築型 No.65
営業全員セミナー受講でほぼ全取引先に5〜20%値上げ達成
非公開(印刷業)
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費・エネルギー・光熱費
交渉手法
データ提示型・関係構築型
活用ツール・支援機関
長野県価格転嫁サポートセミナー
定量的な成果
ほぼ全取引先で5〜20%値上げ
営業全員研修/組織的交渉/5-20%値上げ
当時の課題
- 価格交渉の経験がなく、営業担当者が値上げ交渉に消極的だった。
取組概要
- 営業全員が価格転嫁セミナーを受講し、交渉スキルと意識を共有。
- 全社的に値上げ交渉を推進。
成果概要
- ほぼ全取引先に対して5〜20%の値上げに成功。
副次効果
営業組織の交渉力強化
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
印刷業で、営業担当者が値上げ交渉に消極的で組織全体として価格転嫁が進まないと感じている経営者に、読んでほしい事例です。「営業全員がセミナーを受講し、交渉スキルと意識を共有する」という組織的なアプローチが、ほぼ全取引先での5〜20%値上げ達成につながりました。
この事例が示す最も重要な教訓は、価格転嫁は「経営者だけの課題」ではないという点です。価格交渉を実際に行うのは営業担当者であり、営業担当者が「値上げを言い出すことへの心理的障壁」を持っている限り、どれだけ優れた交渉資料を用意しても機能しません。組織全体の意識と知識を揃えることが、交渉の実行力につながります。
「価格交渉の経験がない」という状況は、多くの中小企業の営業担当者に当てはまります。これまで価格を維持することが「いい営業」とされてきた文化の中では、値上げを申し入れることが「迷惑をかける行為」のように感じられます。セミナーを通じて「適正価格での取引は正当な権利」という認識を全員で共有することが、この心理的障壁を取り除きました。
ほぼ全取引先での成功という結果は、準備と組織的な取り組みの成果です。個人の交渉スキルに依存するのではなく、「チームとして価格転嫁に取り組む体制」を作ることが、組織としての交渉力を高めます。価格転嫁は経営戦略であり、営業戦略でもあります。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →