システムによる自動価格反映と公式LINE450名で顧客基盤強化
O社(自動車部品卸売業(福井県福井市・従業員33名))
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費
交渉手法
制度活用型・関係構築型
活用ツール・支援機関
福井県よろず支援拠点
定量的な成果
公式LINE登録者450名
当時の課題
- 仕入価格の変動を販売価格に迅速に反映できず、利益率が低下。
取組概要
- 販売管理システムに仕入価格の変動を自動反映する仕組みを構築。
- 公式LINE(登録者450名)を活用した情報発信で顧客との関係を強化し、価格改定への理解を促進。
成果概要
- 自動価格反映による迅速な転嫁と顧客基盤の強化を同時実現。
副次効果
デジタルによる業務効率化と顧客コミュニケーション強化
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
自動車部品卸売業で、仕入価格の変動を販売価格に迅速に反映できず、利益率が低下している経営者に読んでほしい事例です。システムによる自動価格反映という「仕組みの変更」と、公式LINEを活用した顧客関係強化の組み合わせが、転嫁と顧客維持を両立しました。
「仕入価格の変動を販売管理システムに自動反映する仕組みを構築した」というアプローチは、価格転嫁を「人手による交渉イベント」から「自動化されたプロセス」に転換したことを意味します。価格変動が多い商材を扱う卸売業では、このシステム化が特に効果的です。仕入コストが上がった翌日には販売価格に反映できる体制は、コスト上昇をリアルタイムに転嫁する能力そのものです。
公式LINE登録者450名という顧客基盤の活用が、価格改定への理解促進に貢献した点も注目です。価格改定を顧客に伝える手段が「店頭のみ」「訪問のみ」である場合、情報の届く速度と範囲が限られます。公式LINEという直接コミュニケーションチャネルを持つことで、「なぜ価格が変わるのか」を事前に、かつ全顧客に同時に伝えられます。情報の非対称性を解消することが、顧客の納得感を高めます。
システムと顧客関係という二つのインフラを整備することが、この事例の成功の鍵です。価格転嫁は一度の交渉で終わる問題ではなく、継続的なコスト変動に対応し続ける能力です。その能力を「仕組み」として持つことが、長期的な競争力を生みます。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →