製造業・食品(漬物) データ提示型 No.83
製品別原価構成の明確化で食品製造業の価格改定を実現
A社(野菜漬物製造業(栃木県・従業員80名))
この事例のポイント
コスト上昇要因
原材料費
交渉手法
データ提示型
活用ツール・支援機関
栃木県工業振興課
原価管理/製品別分析/食品製造
当時の課題
- 野菜・調味料等の原材料価格高騰で収益が悪化。
- 多品種の製品ごとの原価把握が不十分。
取組概要
- 製品別の原価構成を明確にし、品目ごとの値上げ必要額を算出。
- 取引先に対して品目別の価格改定を提案。
成果概要
- 原材料高騰分の品目別価格転嫁を実現。
副次効果
製品別の原価管理体制の強化
森岡誠の解説
価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー
食品製造業(漬物)で、野菜・調味料など複数の原材料価格が同時に高騰し、多品種の製品ごとに価格改定を検討している経営者に読んでほしい事例です。「品目別の原価構成の明確化」が、実現可能な価格改定を可能にしました。
多品種少量生産の食品製造業では、製品ごとの原価を正確に把握することが特に難しいです。しかしこの困難を超えて品目別の原価計算を実施したことで、「この製品はいくら上げる必要があるか」を品目ごとに根拠を持って提示できるようになりました。取引先は品目ごとの根拠を見て、「確かにこの製品は上げないといけない」という納得感を持ちやすくなります。
「一律の値上げ率」から「品目別の適正価格」へという転換は、交渉の質を根本的に変えます。一律値上げは「とにかく上げたい」という印象を与えますが、品目別の根拠は「この製品の原価計算に基づく適正価格」という印象を与えます。この違いが、取引先の受け入れ度を変えます。
漬物・食品製造業における原材料の多様性(野菜・調味料・包装材など)は、価格変動の影響が複雑なことを意味します。複数の原材料のどれが、どの製品のコストにどれだけ影響しているかを整理することが、精度の高い価格改定の前提です。この整理をした事業者が、取引先から信頼される交渉ができます。
※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →