製造業・金属製品 データ提示型 関係構築型 No.90

大手製造業が率先して100%価格転嫁を実現

W社(金属製品製造(大阪府・従業員430名))

この事例のポイント

コスト上昇要因

原材料費・エネルギー・光熱費

交渉手法

データ提示型・関係構築型

活用ツール・支援機関

近畿経済産業局

定量的な成果

転嫁率100%

トップリーダーシップ/100%転嫁/体系的交渉

出典より

近畿経済産業局 価格交渉・価格転嫁取組事例集 ↗

※ 本事例は出典をもとに編集・再構成しています。社名はイニシャル表記にしています。

当時の課題

  • 原材料費の上昇を取引先に転嫁する必要があるが、規模の大きい取引先も多い。

取組概要

  • 経営トップの強いリーダーシップのもと、全社的に価格転嫁に取り組む方針を策定。
  • 取引先ごとに原価データを整理し、交渉を体系的に実施。

成果概要

  • 100%の価格転嫁を達成。

副次効果

全社的な価格交渉体制の確立

森岡誠

森岡誠の解説

価格転嫁・価格交渉の専門家・経営アドバイザー

金属製品製造業など規模の大きい製造業で、価格転嫁に全社的に取り組もうとしているが組織としての一体感が難しい経営者に、読んでほしい事例です。「経営トップのリーダーシップ」が、100%の価格転嫁率達成の起点になりました。

この事例の最も重要な示唆は、「価格転嫁は経営方針である」という認識の明確化です。担当者レベルの交渉努力だけでは、大手取引先を含む多数の相手との包括的な価格改定は実現しません。「経営トップが全社方針として決定し、体系的に推進する」という組織的な取り組みが、大規模な価格転嫁を可能にします。

「取引先ごとに原価データを整理して交渉を体系的に実施した」という方法論も参考になります。100社・200社の取引先を持つ企業が価格転嫁を進める場合、属人的な交渉では一貫性を持ちません。取引先ごとのデータ整理と交渉シナリオの標準化が、組織的な価格転嫁の基盤になります。

規模の大きい企業が100%の転嫁を達成したという事実は、中小企業への示唆でもあります。「大手には逆らえない」という思い込みがありますが、データに基づく正当な要求には、大手企業も「パートナーシップ」の観点から応じる場合があります。要求の正当性と準備の質が、規模の格差を超えることがあります。

※ このコメントは森岡誠による独自の解釈・分析です。 著者について →

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